従来の矯正装置。ブラケットとワイヤーをゴムで留めています。
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装
置
(デイモンシステム)
セルフライゲーション
ブラケット装置
(デイモンシステム)について
セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)は、アメリカの矯正医、Dr Dwight Damonによって開発された新しい矯正治療システムです。従来の矯正装置は、ブラケットとワイヤーをゴムなどで留めていました。それによりブラケットとワイヤーの間に摩擦が生じ、歯の動きが妨げられていました。
しかし、セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)は開閉式のふたを採用することで、この摩擦力を従来の約600分の1まで軽減できるようになりました。これにより、弱い力でも無理なくスムーズに歯を動かせます。また、 生理学的に無理がないので、患者さまの唇や舌の筋肉と調和した自然な歯列をつくれます。
さらに、セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)を使うことで、通院回数や治療時間を抑えることが期待できます。
KAZ矯正歯科では、セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)のなかでより進化した装置を使っています(2026年2月現在)。


セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)。開閉式のふたにワイヤーを通しています。
セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)の特徴
歯をスムーズに動かせる
従来よりもブラケットとワイヤーの間の摩擦力が軽減され、歯がスムーズに動くようになります。
通院回数を減らせる場合がある
従来の装置では4週間に1回の来院で調整していました。持続的に力がかかる形状記憶のワイヤーを使うことで、6~8週、場合によっては10週に1回まで通院回数を減らせる可能性があります。
非抜歯での治療の可能性が高まる
患者さまに合った歯列へ自然に拡大するので、非抜歯での治療の可能性が高まります。
清掃性に優れている(歯磨きがしやすい)
ゴムや細いワイヤーをできる限り使わず、汚れがつきにくいので、歯磨きもしやすくなります。
拡大装置などがほぼ必要ない
歯列が狭い場合は拡大装置などを付けることがあります。しかし、セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)ではブラケットとワイヤーの力だけで広げていくので、拡大装置を使うケースはほとんどありません。
歯周組織に悪影響を与えない
無理な力を加えず、ゆっくりと歯を動かしていきます。そのため、歯周組織(歯肉や歯を支える骨など)への影響が少なくすみます。
歯根の吸収が少ない
無理な力を加えないので、歯が骨に当たることが減り、歯根の吸収が起こりにくくなります。
ブラケットに厚みがある
通常のブラケットに比べて少し厚みがあります。セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)の特徴をいかすためには必要なことですが、唇などに当たって違和感を覚える可能性があります。
治療の流れ
セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)の治療の流れをご紹介します。

初診相談(約30~60分)
お口の中を拝見し、気になる部分やお悩みをお伺いします。現在のお口の状態や治療法、おおよその期間や費用についてお話しさせていただきます。初診相談の内容と費用は文書でもお渡ししますので、ご帰宅後にゆっくりとご確認ください。
また、ご希望の方には同日に精密検査を受けることも可能です。ご希望の際は、お気軽にお申し付けください。

精密検査(約30分)
口腔内の検査をはじめ、歯型の採得・口腔内の写真、レントゲン撮影などを行ないます。

診断(約60分)
検査の結果をお伝えします。
全体的な歯並びや噛み合わせ、1本ずつの歯の状態と問題点をご説明します。考えられる治療法と、どの程度の治療期間が想定されるかをお話しいたします。患者さまのご希望をふまえ、治療方針を決定します。

印象採得(約30分)
装置作製のための歯型を採取します。
虫歯の治療やクリーニングの必要がなければ、診断の当日に行ないます。採取した歯型をもとに、患者さまに合った装置を作製します。

装置の装着(約90分)
装置が完成したら、実際に装着します。まずは歯のクリーニングを行なってきれいな状態で付けていきます。その後、装着中の注意事項や歯磨きの仕方などをご説明します。

治療(1回約60分)
治療期間によって回数は異なりますが、治療前半は6~8週に1回、治療後半は4週に1回の通院となります。

印象採得
歯並びや噛み合わせが改善され、患者さまの気になる所が解消された時点でリテーナー(保定装置)を作製するための歯型を採取します。

保定(約90分)
保定期間は約1年6ヵ月です。4ヵ月に1回来院していただき、お口の中とリテーナー(保定装置)のチェック、歯のクリーニングを行なっていきます。

リテーナーチェック+資料採り
リテーナーの使用状態などをチェックします。また、終了の記録として歯型の採得やレントゲン撮影などを行ないます。

保定期間終了
保定期間が終わると治療も終了です。ご希望の患者さまには、定期的に来院していただき、お口の状態を確認することもできます。
セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)についてのQ&A
Qセルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)と普通のブラケットはどこが違うのです か?
A従来の矯正装置に比べてブラケットとワイヤーとの摩擦が少なく、スムーズに歯を動かせるということが大きな違いです。より詳しくは、「セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)について」をご覧ください。
Qなぜ治療期間が短くなるのですか?
A従来の装置はブラケットからワイヤーが外れないようにゴムや細いワイヤーで留めていました。それにより摩擦が生じ、この摩擦が歯の移動を妨げていました。 セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)では、摩擦を最小限に抑えられるので、歯が早く移動できます。より詳しくは、「セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)について」をご覧ください。
Q歯を動かすと歯根が吸収されると聞いたことがありますが、大丈夫ですか?
A非常に強い力をかけたり、歯が行ったり来たりするような動かし方をはじめ、骨の中を移動するときに骨の周りの一番硬い部分に当たると歯根が吸収されるといわれています。セルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)はこのような動かし方ではなく、スムーズに動かすので、歯根が吸収されることはほとんどありません。
Qセルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)と歯科矯正用アンカースクリューを併用する場合、どのくらい治療期間を短縮できますか?
A全ての患者さまに有効というわけではありません。患者さまのお口の状態などによって変わりますが、25%以上の治療期間の短縮が期待できるケースもあります。
Qセルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)のデメリットは何ですか?
A従来のブラケットより少し厚みがあります。そのため、お口の中の違和感に慣れるまで時間がかかるかもしれません。
Q金属アレルギーがあっても大丈夫ですか?
A金属の種類によっては難しいケースがあります。チタン製のブラケットであれば通常問題ありません。しかし、現在はセルフライゲーションブラケット装置(デイモンシステム)に関するチタン製のブラケットは発売されていません。
●一般的なリスク・副作用
○矯正治療
・矯正治療の一般的な治療費は60万~150万円、一般的な治療期間は2~3年、一般的な治療回数は24~36回となります。使用する装置、症状や治療の進行状況などにより変化しますので、参考程度にお考えいただき、詳細は歯科医師にご確認ください。
・機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
・最初は矯正装置による不快感、痛みなどがあります。数日から1~2週間で慣れることが多いです。
・歯の動き方には個人差があるため、治療期間が予想より長期化することがあります。
・装置や顎間ゴムの扱い方、定期的な通院など、矯正治療では患者さまのご協力がたいへん重要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
・治療中は、装置がついているため歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるので、丁寧な歯磨きや定期メンテナンスの受診が大切です。また、歯が動くことで見えなかった虫歯が見えるようになることもあります。
・歯を動かすことにより歯根が吸収され、短くなることがあります。また、歯肉が痩せて下がることがあります。
・ごくまれに、歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
・ごくまれに、歯を動かすことで神経に障害を与え、神経が壊死することがあります。
・治療中に金属などのアレルギー症状が出ることがあります。
・治療中に、「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口をあけにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
・問題が生じた場合、当初の治療計画を変更することがあります。
・歯の形状の修正や、噛み合わせの微調整を行なうことがあります。
・矯正装置を誤飲する可能性があります。
・装置を外すときに、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、補綴物(被せ物など)の一部が破損することがあります。
・装置を外したあと、保定装置を指示どおりに使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
・装置を外したあと、現在の噛み合わせに合わせて補綴物(被せ物など)の作製や虫歯治療などをやり直す可能性があります。
・顎の成長発育により、歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
・治療後に、親知らずの影響で歯並びや噛み合わせが変化する可能性があります。
・加齢や歯周病などにより、歯並びや噛み合わせが変化することがあります。
・矯正治療は、一度始めると元の状態に戻すことが難しくなります。
○デジタル矯正歯科システム(インシグニア)の使用
・薬機法(医薬品医療機器等法)において承認された医療機器です。事前に取得した歯型のデータを3D化し、治療計画の策定、カスタムメイドのブラケット・ワイヤーの作製、ブラケットを装着する位置の計算、治療後の歯並びのイメージ画像の作製に使用します。
・デジタル矯正歯科システム(インシグニア)を使用して行なう治療は、機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
・どの矯正医が担当しても同じ治療結果が得られるというわけではなく、必ずしもシミュレーションどおりに治療が進むというわけではありません。
○保定装置(リテーナー)を用いた治療
・矯正治療で整えた歯並びが元の状態に戻る「後戻り」を防ぐために、矯正治療終了後に装着する装置です。
・機能性や審美性を重視するため、公的健康保険対象外の自費診療となり、保険診療よりも高額になります。
・マウスピース型、プレート型、ワイヤー型などがあり、治療後の歯並びの状態に応じて歯科医師の指示に従い、正しい期間・方法で使用することが重要です。
・治療期間は、矯正治療の内容や歯の状態によって異なりますが、一般的に1~3年程度です。
・最初は食事や歯磨き以外の時間を装着し、その後、歯が安定してきたら夜間のみなど、徐々に短くしていきます。
・指示された期間は必ず装着を続けることが重要です。
・整った歯並びを維持するため、就寝時のみでも生涯にわたり装着を続けることが推奨されることもあります。
・装着を忘れると後戻りが生じ、リテーナーが合わなくなる可能性があります。
・食べ物が装置につきやすく、歯を磨きにくくなります。特にワイヤーやねじの部分に汚れが溜まりやすいので、仕上げ磨きをするなどご家族のサポートが必要になることがあります。
・固定式のものは、ご自身では取り外せません。
・固定式のものは、歯磨きがきちんとできていないと虫歯を発症するリスクが高まります。
・取り外し式のものは、毎日の装着を怠ると、良好な治療結果を得られないことがあります。